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被災した法人の災害による損失や被災者に対して支援を行った法人に関する法人税の取扱いとしては、次のようなものが定められています。
なお、これらの取扱いのうち、(1)から(4)までの項目は被災した法人側における取扱いとなり、(5)から(10)までの項目は被災者に対して支援を行った法人側における取扱いとなります。
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます(法法22)。
法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理をすることにより、損金の額に算入することができます(法法33)。
法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります(法基通7−8−6)。
(注) 法人が災害により被害を受けた製造設備に対して支出する修繕費用等について、企業会計上、適正な原価計算に基づいて原価外処理(費用処理)をしているときは、税務上もこの処理が認められます。
法人の有する棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係る欠損金額(災害損失欠損金額)がある場合には、その損失の発生した事業年度が青色申告書を提出しなかった事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その事業年度から7年間にわたって繰り越して控除されます(法法58)。
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます(措通61の4(1)−10(2))。
また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます(措通61の4(1)−18(4))。
法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出した分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます(法基通9−7−15の4)。
法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます(措通61の4(1)−10の3)。
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。
また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます(法基通9−4−6の2、措通61の4(1)−10の2)。
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとして損金の額に算入されます(法基通9−4−6の3)。
法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます(法基通9−4−6の4、措通61の4(1)−10の4)。