お知らせ

工学研究科の弓場准教授が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

2022年4月13日

  • 受賞

2022年48日に文部科学省から発表のあった令和4年度「文部科学大臣表彰」において、工学研究科 弓場 英司(ゆば えいじ)准教授が「若手科学者賞」を受賞しました。

この文部科学大臣表彰(科学技術分野)は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、科学技術水準の向上に寄与することを目的としたものです。

弓場准教授コメント

この度、文部科学大臣表彰・若手科学者賞を受賞させていただくことになりました。この受賞は、免疫反応をコントロールしてがんや自己免疫疾患に対する治療作用を誘導するための、化学を基盤とした機能性材料開発に関する研究成果を評価いただいたものになります。
本研究の遂行に当たり、貴重なご助言・ご支援をいただいた諸先生方、多様な視点を授けて下さった国内外の共同研究者の皆様、絶え間ない努力によって多くの成果を出して下さった研究室の卒業生・在学生の皆様に厚く御礼申し上げます。
このような名誉ある受賞に恥じぬよう、より一層教育研究に邁進してまいります。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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受賞対象となった研究業績概要

〈業績名〉

機能性高分子を利用した免疫応答制御と治療に関する研究

〈内容〉

機能性タンパク質を用いて、免疫を人工的にコントロールする新たな疾患治療法が具現化されつつある。しかし、治療用分子を、リンパ組織、免疫細胞、細胞内オルガネラレベルで正確に送達するための高精度運搬技術はいまだ確立されていない。

弓場准教授は、免疫細胞に認識され活性化する機能、がん抗原の細胞内放出機能を有する多機能性高分子を開発し、これを固定化した脂質ナノ粒子により、がん特異的免疫の誘導と腫瘍縮退を実現した。さらに、抗炎症性サイトカインにリンパ節標的化能を付与することで、自己免疫疾患モデルに対して既存薬をはるかに上回る治療効果を示すことを見出した。本研究成果は、高精度薬物送達のための材料設計指針を与えるとともに、がん免疫療法、ワクチン、および関節リウマチなどの自己免疫疾患治療技術につながると期待される。

関連情報

令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定について(文部科学省Webサイト)https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00989.html

お問い合わせ

大学院工学研究科
准教授 弓場 英司
Tel 072-247-6016
Eメール yuba[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と変えてください。